江戸時代の子文書を読む会・公開特別講演会(放送大学埼玉学習センター)

戦国合戦のイメージ~軍記と合戦図から~

共立女子大学教授・放送大学講師

堀  新

 

江戸時代の古文書を読む会・公開特別講演会

 

「戦国合戦のイメージ・軍記と合戦図から」

講師・共立女子大学・堀新教授を受講して

 

 

 

 恥ずかしいことではあるが、合戦図(屏風)というものを見たことはない。物語の本、或いは教科書の挿絵などで、その一部を見たことがあるかも知れない。そんな記憶が頭の片隅にある。或いはどこかの博物館で、その種のものを展示物の一部の中で見たことがあるかも知れない。

 

 講演を聞いて(1)合戦図はいずれも事実ではない。(2)軍記の影響か、イメージ形成を構成するには力を発揮して、江戸時代には大流行し事実として定着した。(3)合戦図・軍記も美術史・文学研究からも疎外されている。(4)徳川家康を神聖化・絶対化する徳川幕府のための歴史合戦図と軍記は「徳川史観」の産物である。ということがわかった。

 

 次に屏風絵「長篠の合戦」の説明に移る。白帝文庫(成瀬本)、名古屋市博物館所蔵の屏風画に基づく解説、従来の説明とそれに対する批判などの説明があり、屏風の図様から

 

1)長篠城内の様子(2)馬防柵と鉄砲隊(3)武田勢の様子(4)織田勢の様子(5)合戦の様子などの解説があった。

 

 講演を聞いての感想。一枚の屏風絵の中に実はいろいろな隠された事実が含まれていること、その事実を解明し、読み解くには大変な研究と努力が必要だということが分かり、勉強になった。

記 芳尾祐輔